DM(ダイレクトメール)に効果がないはうそ?反応率・反響率の基準とメリット・デメリットとは

DM(ダイレクトメール)に効果がないというのは本当でしょうか?多くの企業が販促手段としてDMを活用していますが、その効果について疑問を持つ方もいるかもしれません。
DMは適切な戦略と実行によって、非常に強力なマーケティングツールとなり得ます。ここでは、DMの反応率・反響率の基準、メリット・デメリット、そして成功させるための具体的な方法について詳しく解説します。
DM(ダイレクトメール)とは
DM(ダイレクトメール)とは、企業が自社の製品やサービスを宣伝し、販促活動を行うために、特定の顧客に対して直接送る郵便物や電子メッセージのことです。
ターゲット顧客の関心やニーズに合わせてパーソナライズされた情報を届けられるため、高い開封率と反応率が期待できます。DMは、新規顧客の獲得、既存顧客の維持・育成、休眠顧客の掘り起こしなど、多岐にわたるマーケティング目標の達成に貢献します。
DMのリストは、セミナー参加者、ウェブサイトからの問い合わせ、既存顧客のデータベースなど、様々な情報源から作成されます。これらのリストは、顧客の属性情報(年齢、性別、居住地、職業など)や購買履歴、興味・関心などの情報に基づいてセグメントされ、よりターゲットを絞ったDMの送付が可能になります。
DMには、封筒、はがき、カタログ、チラシなど、さまざまな形態があります。また、郵送だけでなく、FAXやEメール、近年ではSMSやSNSのDM機能も活用されています。これらの多様な形式を組み合わせることで、顧客に合わせた最適な情報伝達が可能です。
DMの種類
先ほど触れましたが、DMといっても種類は1つではありません。一般的にDMと聞くと郵送のはがきや封筒が思い浮かぶでしょう。しかしはがきや封筒以外にもEメールで送られてくるものもDMです。
またFAXのDMの1つです。これら3つの種類は上手に使い分けていく必要があります。そこでここではそれぞれの種類の特徴について説明します。
郵送
郵送のDMの場合は、送料はかかりますが、導入は比較的簡単です。葉書で送る場合にも、返信用葉書が付いているものもあります。また封筒の場合、情報の多いチラシが封入されているものもあるでしょう。
つまり封筒で送ることで、多くの情報顧客に伝えられるわけです。興味がある内容であれば、手に取って見てもらえる可能性も高いでしょう。あとは費用がかかるため、どこまで予算として確保しておくかという問題が残ります。
Eメール
EメールでもDMは送ります。Eメールの場合は安く大量に一斉メールを送れますので、非常に便利です。ただしEメールの場合は開封率が問題となります。
Eメールで情報発信している企業が多いため、自分に必要ない情報だと思えば、見てもらえないことも多いです。また自動で迷惑メールに入ってしまうケースも多く見られます。Eメールの場合は見てもらえる工夫が必要になってくるでしょう。
FAX
FAXの場合、目に付きやすいことと比較的安く送信できるというメリットがあります。ただ白黒での配信になるため、文字情報を伝えやすいですが、写真などの画像は見にくくなってしまいます。
またFAXの場合は、受信側が紙を使用して印刷するため、頻繁にFAXが届くと印象が悪くなるというデメリットがあるでしょう。
その他のDM
近年では、SMSやSNSのDM機能も活用されています。これらのDMは、開封率が高く、即効性が期待できるというメリットがあります。 特に、若年層やスマートフォンユーザーにアプローチする際に有効です。 ただし、文字数制限や画像・動画の容量制限などがあるため、情報を簡潔にまとめる必要があります。
DMの効果測定の方法
DMの場合、効果測定の指標としてはCPOと反応率・反響率があります。CPOは一件の受注を取るために、どれだけの広告費がかかったのかを見る指標です。計算式は「総広告費÷受注件数」で求められます。当然ですが、CPOが低いほど効果が高い広告といえます。
もう一つは反応率・反響率で、DMを送った人からどれだけ問い合わせや受注があったのかの割合を示すものです。
これらの効果を測定するためには、測定するための工夫が必要です。たとえばDMを受け取った人用のサービスを用意する方法が考えられます。QRコードなどをDMに付けておけば、そのQRコードを利用した人は、DMからサービスを申し込んだと判断できます。
またアンケートを取る方法も考えられるでしょう。しかしアンケートだと電話での問い合わせをした場合に、いちいちお客様に確認しなければならないというデメリットがあります。
そのため電話での問い合わせがどこから来たのか、測定するためにはシステムの導入がオススメです。とくに電話問い合わせのデータを正確に計測できるのがコールデータバンクです。コールデータバンクは電話成果を含めた広告効果を100%計測し、すべての成果に至るマーケティングデータを一元管理。『広告運用改善』と『顧客管理改善』ができるツールです。
DM(ダイレクトメール)のメリット
ではDMのメリットはどのようなものがあるでしょうか。ここでは5つ紹介します。
・自分宛てのDMは開封してもらえる可能性が高い
DMは自分宛の郵便として届きます。差出人にまったく興味がない状態であれば、開封されないこともあるでしょう。しかし自分がすでに利用しているサービスだったり、以前セミナーなどを利用したことがあったりするサービスの場合、どうでしょうか。開封してもらえる可能性はかなり高くなりますよね。
日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査2020」報告によれば、全DMの約54%が読まれています。つまり約半数の人はDMを読んでくれるわけです。
さらに自分宛てに来たDMについてはさらに開封率があがります。先ほどの調査によれば、約63%の人がDMを開封しているのです。
メルマガの開封率が平均20%と言われていますので、メルマガに比べればかなり開封率が高いと言えるでしょう。
・多くの情報を伝えられる
DM は封筒で送れますので、多くの情報を伝えられます。しかも紙であるので、イラストや写真を使って視覚的に訴えることもできるわけです。メールだと長文を読んでもらえませんが、 DM で興味を引くのでもらえる可能性が高いわけです。
・効果測定と改善の容易さ
DMは、効果測定が容易なため、PDCAサイクルを回しやすく、改善に繋げやすいというメリットがあります。たとえば、DMにQRコードやクーポンコードを記載し、その利用状況を追跡することで、効果を測定できます。
また、DMを送付した顧客に対して、アンケート調査を実施することで、顧客の反応や意見を収集し、改善に繋げることが可能です。たとえば、DMの内容、デザイン、タイミングなどについて、顧客の意見を聞くことで、より効果的なDMを作成できます。
効果測定には、顧客管理システム(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)ツールなどを活用することも有効です。これらのツールを活用することで、顧客の属性情報や購買履歴、行動履歴などを分析し、より詳細な効果測定を行うことができます。
効果測定と改善を繰り返すことで、DMの効果を最大化し、費用対効果を高めることができます。
・パーソナライズされた情報提供
DMは、顧客の属性情報や購買履歴に基づいてパーソナライズされた情報を提供できるため、顧客の関心やニーズに合った効果的なアプローチが可能です。
たとえば、過去に特定の製品を購入した顧客に対して、関連製品の情報を送ったり、誕生日の顧客にクーポン券を送ったりできます。これにより、顧客は自分にとって有益な情報を受け取ることができ、企業は顧客との関係性を深めることが可能です。
・ターゲットを絞ったアプローチ
DMは、特定のターゲット顧客に絞って情報を届けられるため、無駄なコストを削減し、効率的なマーケティング活動が可能です。
たとえば、特定の地域に住む特定の年齢層の顧客、過去に特定の製品を購入した顧客、特定のイベントに参加した顧客など、細かくセグメントすることで、よりパーソナルなメッセージを届けられます。これにより、企業はターゲット顧客に響くメッセージを送ることができ、反応率を高めることが可能です。
たとえば、高級化粧品ブランドの場合、過去に高額商品を購入した顧客に対して、新商品の情報を送ったり、特別なイベントの招待状を送ったりすることが考えられます。また、地域密着型の飲食店の場合、近隣住民に対して、季節限定メニューの情報を送ったり、クーポン券を送ったりすることが考えられます。
ターゲットを絞る際には、顧客の属性情報(年齢、性別、居住地、職業、家族構成、趣味嗜好など)だけでなく、購買履歴、行動履歴、興味・関心などの情報も活用することが重要です。これらの情報を分析することで、より精度の高いターゲティングが可能になり、DMの効果を最大限に高められます。
DM(ダイレクトメール)のデメリット
DM にはデメリットもあります。ここでは DM のデメリットとして3つ紹介します。
・コストがかかる
DMは封筒で送るわけですから、コストがかかります。封書だと1通80円以上することが多いです。ただし送る封書数が多くなれば、1通当たりのコストを下がります。いずれにせよコストがかかるのは確かです。そのためその費用に見合った効果を上げる必要があるでしょう。
またターゲットを絞り込み、必要な顧客にのみDMを送付したり、デジタルDM(Eメール、SMS、SNSのDMなど)を併用したりすることでコストが抑えられます。また、DMのデザインや素材を工夫することで、コストを抑えながらも効果的なDMを作成することも可能です。
・準備に時間がかかる
DMの場合、準備に時間がかかります。たしかに送る中身を考え、封書の準備や送り先の検討など必要な工程が多いです。こうした工程をすべて一括で頼むことも可能です。もちろん費用はその分かかりますが、費用対効果で効果の方が上回るようであれば、DM代行サービスを利用するのもアリでしょう。
・情報漏洩のリスク
顧客情報を扱うため、情報漏洩のリスクがあります。個人情報保護法などの関連法規を遵守し、セキュリティ対策を徹底する必要があります。
たとえば、DMの発送リストに顧客の個人情報が含まれている場合、その情報が漏洩すると、顧客に迷惑をかけるだけでなく、企業の信用も失墜する可能性があります。
情報漏洩を防ぐためには、DMの発送リストを安全な場所に保管したり、発送作業を信頼できる業者に委託したりすることが重要です。また、DMに個人情報を記載する際には、必要最小限の情報に留めることが望ましいです。
万が一、情報漏洩が発生した場合に備えて、顧客に速やかに連絡し、適切な対応を行うことも重要です。
DM(ダイレクトメール)を成功させるポイントは
DMを成功させるポイントには以下のような手順で進めていきます。
1.目的を明確化する
まずは DM を送る目的について明確化する必要があります。 何のために DM を送るのか、新しいサービスを紹介したいのか、 新しい商品を購入してほしいのか目的はさまざまです。何のために DM を送るのかを決めることで、 DM の中身も変わってくるはずです。
2.ターゲットをしっかりと決める
DM を送信する目的が決まったら、次にターゲットを選定しなければなりません。どの年齢層にアピールするのか、またどの地域の人が利用できるサービスなのか、ターゲットをしっかりと絞り込むことで、 DM の効果もあがります。
3.興味を持ってもらう内容にする
DMのターゲットが決まったら、そのターゲットに刺さる内容を考えなければなりません。興味を持ってもらうためにはそのターゲットの悩みを解決するという視点が非常に重要です。ただ自分たちの商品を売るというだけでは購入してもらえません。
どのような悩みを持っている人が多く、その悩みを自社のサービスでどのように解決できるのか、そのストーリーを考えておく必要があるでしょう。
4.送るタイミングを考える
DM の場合送るタイミングも非常に重要です。ちょうどそのサービスを必要としていたという時に DM が届く等利用してもらえる可能性はかなり高まります。どのタイミングに送ると効果があるのか今までのデータを分析して、より効果の高いタイミングで DM を送るようにしましょう。
5.DM(ダイレクトメール)の反応率の基準は15.9%
DM は必ず効果の検証を行うべきです。 PDCA を回して実際にどれくらい反応があったのか検証してみましょう。先ほど開封率のデータ渡しましたが、開封したとしても反応がなければ意味がありません。
下の表はDMを見た後の行動についてまとめたものです。1~11までの合計は15.9%でした。反応率という意味では、決して高くはありません。
全DM対象
自分宛DM対象
そのためDMの中身の改善をしてさらに反応率を上げる努力しなければなりません。 PDCA を繰り返すことでより反応率が高い DM になるでしょう。
6.ウェブ広告と組み合わせる
DMは開封されて終わりのケースもあります。長期間、DMを取っておく人は稀でしょう。そこでウェブ広告を上手く使う必要があります。DMで覚えたキーワードで検索した際にウェブ広告が表示されれば、自社のホームページに誘導できます。
ウェブ広告を有効に活用して、DMが一回だけの施策に終わらないように工夫しましょう。
DMを有効活用しよう!
DMはコストがかかるものの、うまく活用すれば販促につながるのは間違いありません。ターゲットを明確にして、中身を精査して送るようにしましょう。送るタイミングにも気をつけてください。