O2Oとは?O2Oのメリットと活用するchannelについてわかりやすく紹介
O2Oという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ここではO2Oという言葉を聞いたことがない人、聞いたことがあっても詳しく知らない人に、O2Oの活用の仕方やメリットについて説明します。
O2Oとは
O2Oとは「Online to Offline」のことです。この言葉を見るとわかりますが、オンラインからオフラインへ誘導する施策を意味しています。たとえばSNSで配布されたクーポンをもって実店舗に行くと、割引が受けられるという施策です。
このチャンネルが複数になり、それらを統合して運用するようになるとオムニチャネルになるのです。ただオムニチャネルはチャネルを統合して運用していくため、手間と時間がかかります。しかしO2Oは比較的簡単にはじめられます。
O2Oとオムニチャネル、OMOとの違い
O2Oと似た施策としてオムニチャネルがあります。オムニチャネルでは、さまざまな流入経路から商品やサービスにアクセスでき、どのチャネルからも共通した顧客体験が可能です。オムニチャネルはすでに商品やサービスを利用している人たちへアプローチするのが目的です。一方、O2Oは新規顧客の獲得が目的になります。そのためどちらか一方のみを実施するというやり方ではなく、両方をうまく組み合わせて実施していく必要があります。
またOMOという言葉もあります。OMOはオンラインとオフラインを区別せずに融合して、一体化した状態でサービスを提供する方法です。一方O2Oはオンラインとオフラインを分けて考えるという違いがあります。
O2Oが注目される背景
O2Oが注目されるようになったのは以下の3つの背景があります。
スマートフォンの普及
スマートフォンの普及とO2Oとは密接な関係にあります。スマートフォンを使うことで、ウェブにアクセスしやすくなったことで、オンラインからオフラインへの誘導がしやすくなったからです。
多くの人が気になる商品があれば、検索してすぐに調べるでしょう。各企業はそこからオフラインへ誘導します。ウェブであればコストを抑えることも可能であり、施策として展開しやすいというメリットもあるわけです。
またGoogle マップで実店舗に誘導しやすくなっており、ウェブを検索して実店舗を訪れやすくなっています。このようにスマートフォンの普及がO2Oの普及と関係しているわけです。
SNSの普及
SNSの普及は、O2Oが注目される背景のひとつとなっています。SNSで口コミを投稿すれば、それを調べた消費者が店舗を訪れることが多いです。また最近ではQRコードを利用してクーポンを配布することも可能です。
LINEでクーポンを配布して、実店舗に誘導する施策もあります。お得な情報もLINEで流せるため、そこからオフラインへの誘導もしやすくなっています。
実店舗の役割の変化
今までオンラインで完結していたものであっても、実店舗を見直すことでオフラインならではの良さを提供している企業が増えています。オンラインにはない体験を実店舗で提供する仕組みを作っているわけです。
こうした背景もO2Oが注目される理由となっているわけです。
O2Oで活用するchannel(チャネル)
O2Oでは主に以下の4つのチャネルを使います。
ウェブサイト
ウェブサイトは自社のホームページやブログ、ECサイトも含みます。自社のホームページでは商品の情報を発信するだけでなく、クーポンやキャンペーンコードを配ることも可能です。ウェブページはウェブ検索だけで見てもらうのは難しくなっているため、SNSでも紹介するようにしましょう。
SNS
SNSはFacebookやインスタグラム、Twitterなど利用者層が異なります。そのため必要なターゲットに合わせて発信する情報を分けなければなりません。また最近では、LINEでクーポンを配る店も多いです。たしかにLINEは登録の手間もかからないので、顧客が登録しやすいというメリットがあります。
メールマガジン
メールよりもSNSが重視されがちですが、メールマガジンで情報発信することも大切です。とくに既存顧客への情報発信は継続してリピートしてくれるためにしておかなければならない施策でしょう。
アプリ
独自のアプリを開発して、そこでクーポンやキャンペーンコードを発行しているところもあります。ポイントカードもアプリで行っているところもありますよね。企業としては顧客情報が収集できるというメリットがあります。一方顧客の側としてもポイントカードを持ち歩かなくていいため、とても便利です。
O2Oのメリット
O2Oは今、注目されている施策ですが、具体的に以下の4つのメリットがあります。
新規顧客を獲得できる
O2OはウェブサイトやSNSを使って顧客に情報を提供します。とくにSNSは多くの人が利用しており、顧客のところに情報を届けやすいです。またSNS広告は位置情報などを使ってターゲッティングがしやすいです。そのため新規顧客が獲得しやすい要因となっています。
効果測定がしやすい
O2Oの施策はオンラインで行われるため、効果測定がしやすいというメリットがあります。チラシなどのオフラインの施策だと効果を測定するのが難しいです。またオンラインでクーポンを配れば、どのようなクーポンに効果があるのかをチェックすることもできるでしょう。
顧客一人ひとりにアプローチしやすい
登録してくれるチャネルによって発信する情報を分けられます。そのため顧客の望んでいる情報が届きやすいというメリットがあります。またウェブ広告は属性を指定して配信できるため、顧客に響きやすいアプローチができるでしょう。
低予算ではじめやすい
O2OはSNSやウェブを利用した施策なので、比較的低予算ではじめやすいです。まずはやってみようという感覚が大事なので、低予算ではじめられるのはメリットでしょう。
O2Oの成功事例
O2Oを導入して成功している企業は多くあります。ここではO2Oの成功事例として4つ紹介します。
UNIQLO(ユニクロ)
ユニクロはアプリを導入しており、アプリでクーポンを配布して来店を促す手法を取り入れています。他にもモバイル会員は店頭で会員証を見せると、会員価格で商品を購入できます。
アプリ内でチラシも配信されており、お得情報を見逃すこともありません。このようにユニクロではオンラインからオフラインへの来店を促しています。
東急ハンズ
東急ハンズでもO2Oを活用しています。東急ハンズの場合はクーポン配布だけではなく、リアルタイムで売れている商品をピックアップしたり、各店舗の在庫状況を把握できるようにしたりしています。
どの店舗に行けば自分の欲しい商品が手に入るかわかるため、来店しやすくなるというメリットがあるわけです。
スマートオーダー
スマートオーダーは事前に料理を注文と決済をしておいて、店舗で受け取るという仕組みです。待ち時間なしで料理を受け取れるため、お店で待つ必要がないというメリットがあります。
特に最近のコロナで密を避ける必要性があったため、有効に活用している店舗が増えました。
Starbucks(スターバックス)
Starbucksでもモバイルオーダーが導入されています。事前に決済しておいて、店舗で受け取ることができるため、レジに並ぶ必要がありません。またモバイルオーダーのポイント(スター)も貯まっていきます。
Starbucksでは、ゴールドスターとグリーンスターがあり、ゴールドスターになるとお得なチケットをもらえ、対象の商品と交換できます。スターバックスを頻繁に利用する人にとっては、メリットが高いサービスになっています。
O2Oを導入する際の注意点
O2Oは導入しやすいというメリットがある一方で、差別がしにくいというデメリットがあります。たしかにどの企業もはじめやすいということは、ほとんどの企業で導入している施策だということです。
そのため仕組みは同じでも、自社独自の活用ができるのかがポイントになります。その際の差別化のスタートは顧客基準です。顧客がより便利になるように考えてO2Oを導入するようにしましょう。
またクーポンなどを配布しても、1回きりで終わってしまうということもあります。継続的に来店してもらえる仕組みづくりもまた必要になってくるわけです。そうした仕組みをいかに作っていくかも重要になるでしょう。
O2Oを推進する場合はモバイルアプリが重要になる
モバイルアプリを通じて収集されるデータは、企業のマーケティング戦略やサービスの改善に役立ちます。またユーザーはアプリ内での特典や割引などの特典を受けることができるため、顧客の維持や集客にも効果的です。プッシュ通知で相手に知らせることが可能で、訴求力が高くなります。
しかしモバイルアプリを開発・運営するには、専門的な知識や技術が必要です。またアプリの開発や運営にはコストや時間がかかることもあります。そのため、O2Oを推進する企業は、モバイルアプリを活用することのメリットとデメリットをよく考慮し、戦略的に取り組む必要があります。
モバイルアプリの開発や導入が難しい場合はLINEを活用してみましょう。LINEで友達登録をしてもらえば、メッセージの配信が簡単にできます。
O2Oで顧客に寄り添ったサービスを!
O2Oは比較的はじめやすい施策であり、すでに行っている企業も多いでしょう。しかしうまくいかないことも多いです。O2Oで成功している企業は顧客に寄り添った形でO2Oを進めています。うまくいかないときには、顧客が何を必要としているか考えて、改善していきましょう。