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Google広告の新規顧客獲得目標とは?3つのモードと設定方法 - Call Data Bank

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Google広告の新規顧客獲得目標とは?3つのモードと設定方法

新規顧客獲得戦略

マーケティング担当者にとって、新規顧客と既存顧客のどちらを優先すべきかは悩ましい問題です。費用対効果だけを見れば既存顧客への施策が有利ですが、それだけでは事業の持続的な成長は望めません。

Google広告には、この新規顧客の獲得に特化して配信を最適化できる「新規顧客の獲得」目標という機能があります。

ただし、この機能は近年大きく拡張されました。現在は「顧客ライフサイクル目標」という枠組みのなかに位置づけられ、選べるモードも増えています。 かつて2つだったモードは3つになり、さらに既存顧客の維持を狙う別の目標も追加されました。

この記事では、2026年時点の正確な仕様にもとづいて、機能の内容と設定手順、そして新規顧客の価値を決めるうえで欠かせないLTVの考え方を解説します。

新規顧客と既存顧客、どちらを優先すべきか

機能の説明に入る前に、前提となる考え方を整理しておきます。

既存顧客のほうが費用対効果は高い

マーケティングでよく引用される法則が2つあります。

  • 1:5の法則:新規顧客の獲得には、既存顧客の維持に比べて5倍のコストがかかる
  • 5:25の法則:顧客の離脱率を5%改善すると、利益が25%以上改善する

既存顧客は自社の商品への関心が高く、ブランド理解も深いため、維持するほうがコストは低く済みます。リピート購入の促進やプランのアップグレード提案など、低コストで売上を伸ばす手段も豊富です。

そのため、費用対効果の観点では既存顧客向けの施策が優先されがちです。

それでも新規顧客の獲得が必要な理由

一方で、既存顧客だけに注力していては事業は先細ります。新規顧客を獲得する意義は次の3点です。

  • 市場シェアの拡大:競合との差別化を図りながら顧客基盤を広げることは、持続的成長の前提になります
  • ブランド認知の向上:新しい層へのアプローチが口コミや評判を生み、さらなる認知につながります
  • 将来的な売上の維持:離脱率をゼロにすることは現実的ではありません。離脱数を上回る新規獲得があって初めて、売上は維持されます

担当者目線では効率の良い既存顧客に寄りたくなりますが、経営目線では新規獲得を怠ると成長が止まります。両者のバランスをどう取るかが実務上の課題であり、その調整を広告側で行うための機能が「新規顧客の獲得」目標です。

【2026年】「顧客ライフサイクル目標」という枠組み

まず押さえておきたいのが、機能の位置づけが変わっている点です。

現在Google広告では、ユーザーの購買段階(ライフサイクル)に応じて入札を最適化する仕組みを**「顧客ライフサイクル目標」**と総称しています。この下に、目的の異なる2つの目標が用意されています。

目標

目的

「新規顧客の獲得」目標

まだ取引のないユーザーを獲得する

「ユーザー維持」目標

既存顧客との関係を維持し、休眠ユーザーを呼び戻す

つまり、新規獲得と既存維持の両方を、同じ枠組みのなかで設計できるようになっています。P-MAXキャンペーンでは、1つのキャンペーンで顧客ライフサイクルのすべての段階を対象にすることも可能です。

「新規顧客の獲得」目標だけを単独の機能として理解していると、この全体像を見落とすことになります。

利用できるキャンペーンタイプ

顧客ライフサイクル目標を利用できるのは、P-MAX、検索、ショッピング、デマンドジェネレーションの各キャンペーンです。かつては検索とP-MAXが中心でしたが、対象は広がっています。

ただしモードによって対応するキャンペーンは異なります。詳しくは次章の表で整理します。「ユーザー維持」目標については、現時点でP-MAXキャンペーンのみが対象です。

「新規顧客の獲得」目標の3つのモード

ここが元の理解とずれやすい部分です。現在、選べるモードは3つあります。

1.「新規顧客の価値」モード

新規顧客の獲得に対して、既存顧客よりも高い入札単価を設定するモードです。

既存顧客のほうが成果を上げやすいため、放っておくと配信は既存顧客に偏ります。新規顧客に高い価値を割り当てることで、この偏りを補正し、新規層への配信を意図的に増やせます。潜在的なリピーターにも働きかけながら、新規顧客への入札を優先できる点が特徴です。

Googleは、購入のコンバージョン目標を設定しているすべての広告主にこのモードを推奨しています。

2.「価値の高い新規顧客」モード(ベータ版)

近年追加されたモードです。単に「新規かどうか」ではなく、新規顧客のなかでも価値の高い層を優先するという考え方に踏み込んでいます。

このモードでは、価値の高い新規顧客・通常の新規顧客・既存顧客の3つに対して、それぞれ異なる入札優先度を設定できます。

「価値が高い」の定義は広告主が決めます。公式では「他の顧客と比べて2倍の商品を購入する顧客」といった例が挙げられており、自社の観察にもとづいて基準を設けます。

ただし、このモードには利用条件があります。 公式ヘルプでは「High Value Optimization を使った新規顧客の獲得」という名称でベータ版として案内されており、利用できるのは次の条件を満たす広告主に限られます。

  • オンライン販売の促進を目標としている
  • Google Merchant Center(GMC)のフィードを保有している
  • 価値の高いユーザーのカスタマーマッチリストを保有している

つまり、実質的にEC事業者向けの機能です。問い合わせや資料請求を成果とするリード獲得型のビジネスでは、現時点では対象外となります。管理画面に選択肢が表示されない場合は、これらの条件を満たしていない可能性を確認してください。

3.「新規顧客のみ」モード

新規顧客だけに絞って配信するモードです。

P-MAXにはオーディエンスを除外する機能がないため、以前は既存顧客を除いた配信ができませんでした。このモードを使えば、既存顧客を配信対象から除外できます。

ただしGoogleは、このモードを**「新規顧客獲得の予算に制限がある場合」または「購入以外のコンバージョン目標(見込み顧客の発掘など)を設定している場合に限り」**推奨しています。また、このモードを使う場合、既存顧客にリーチするには別のキャンペーンを用意する必要があります

モード別の対応キャンペーンと要件

モードによって、使えるキャンペーンタイプと入札戦略が異なります。

モード

対応キャンペーン

入札戦略

購入コンバージョン目標

新規顧客の価値

検索/P-MAX/ショッピング/デマンドジェネレーション

目標ROAS、コンバージョン値の最大化

必須

価値の高い新規顧客<br>(ベータ版)

P-MAX/検索のみ

目標ROAS、コンバージョン値の最大化

必須(+GMCフィードとカスタマーマッチリストが必要)

新規顧客のみ

検索/P-MAX/ショッピング/デマンドジェネレーション

すべての入札戦略

必須ではないが推奨

注意すべきは「価値の高い新規顧客」モードです。 対応するのはP-MAXと検索キャンペーンのみで、ショッピングやデマンドジェネレーションでは利用できません。加えて前述のとおりベータ版であり、GMCフィードの保有などの条件も課されます。

また、価値にもとづく入札戦略を使う2つのモードでは、1つ以上の購入コンバージョン目標を設定していることが必須です。見込み顧客の獲得を目的とする場合は「新規顧客のみ」モードが選択肢になります。

モードの選び方

Googleの推奨をまとめると、次のようになります。

  • 購入コンバージョンを設定している → まず「新規顧客の価値」モード
  • ECでGMCフィードを運用しており、優良顧客リストもある → 「価値の高い新規顧客」モード(ベータ版)を検討
  • 予算に制約がある、または見込み顧客の獲得が目的 → 「新規顧客のみ」モード

問い合わせや資料請求を成果とする事業では、現実的な選択肢は「新規顧客の価値」または「新規顧客のみ」の2つになります。「新規顧客のみ」は配信対象が大きく絞られるため、既存顧客向けの別キャンペーンとセットで設計することが前提です。

「ユーザー維持」目標について

新規獲得と対をなす目標です。既存顧客のエンゲージメントを保ち、離れていったユーザーを呼び戻すことを目的としています。

現在利用できるモードは2つです。いずれもP-MAXキャンペーンが対象で、価値にもとづく入札戦略(目標ROAS、コンバージョン値の最大化)と、1つ以上の購入コンバージョン目標の設定が必要です。

  • 「リエンゲージメント」モード:既存顧客よりも休眠ユーザーに対する入札単価を高く設定します
  • 「価値の高い顧客のリエンゲージメント」モード:購入頻度・注文量・注文額が高かったものの、その後エンゲージメントが途絶えた顧客に再アプローチします

「休眠ユーザー」の定義は、休眠状態の期間や特定のエンゲージメントの不足といった自社の基準にもとづいて広告主が決めます。カスタマーマッチで休眠ユーザーのリストをアップロードすることで、そのユーザーに高い入札単価を割り当てられます。この定義の精度が、検出と入札の精度を左右します。

Googleは「ユーザー維持」目標と「新規顧客の獲得」目標の併用を強くすすめています。両方を使うことで、1つのP-MAXキャンペーンで顧客ライフサイクルのすべての段階を対象にでき、最も価値の高い顧客セグメントを重視するようAIを誘導できるためです。

なお「リエンゲージメント」モードを使うには、次の3つが必要です。

  • P-MAXキャンペーンであること
  • そのキャンペーンが「新規顧客の価値」モードの「新規顧客の獲得」目標に向けて最適化されていること
  • リーチしたい休眠ユーザーを含むカスタマーマッチリストを準備すること

導入時は、予算を少なくとも20%引き上げることがGoogleから推奨されています。これまでアクティブでなかった顧客に配信を広げるための余力が必要になるためです。

設定手順

設定は、大きく次の流れで進みます。Google広告のヘルプでは5つのステップとして案内されています。

ステップ1:顧客リストを定義する

まず、誰を「既存顧客」とするかを定義します。ファーストパーティデータ(自社が保有する顧客データ)を使い、カスタマーマッチでリストをアップロードするのが基本です。

リストの要件として、少なくとも1つのネットワークで100人以上のアクティブなメンバーが含まれている必要があります。 かつては1,000件という基準が案内されていましたが、現在は引き下げられています。

アップロードの手順は次のとおりです。

  1. Google広告の管理画面で「ツール」をクリック
  2. 共有ライブラリ」から「オーディエンスマネージャー」を選択
  3. 上部の「データセグメント」タブをクリック
  4. 」ボタンから「顧客リスト」を選択
  5. セグメント名を指定し、CSVファイルをアップロード
  6. データの収集がGoogleのポリシーに沿っている旨のチェックボックスをオンにする
  7. 有効期間を設定し、「アップロードして作成」をクリック

アップロード後は、正常に処理された行数とマッチ率を確認できます。

ステップ2:ライフサイクル目標を設定する

  1. 管理画面で「目標」を開く
  2. コンバージョン」から「概要」をクリック
  3. 「顧客の獲得」の右にある「設定」をクリック
  4. 既存顧客を定義するオーディエンスセグメントを選択
  5. 顧客獲得に割り当てる値を設定

ステップ3:キャンペーンで有効にする

  1. 管理画面で「キャンペーン」を開く
  2. 対象キャンペーンの設定(歯車アイコン)を開く
  3. 顧客の獲得」を選択してメニューを展開
  4. 「新規顧客の獲得を重視してキャンペーンを最適化する」にチェック
  5. 「新規顧客に対する入札単価を既存顧客よりも高く設定」または「新規顧客に対してのみ入札単価を設定する」を選択

このあと、配信状況の確認と効果測定へと進みます。

【重要】Googleの自動検出には限界がある

設定にあたって理解しておきたい仕様があります。

「新規顧客の獲得」目標では、デフォルトでGoogleの自動検出が常に使用されます。過去のコンバージョンデータなどをもとに、Googleが新規か既存かを判定する仕組みです。顧客リストと組み合わせて使うこともできます。

ただし、この自動検出はオフラインコンバージョンでは機能しません

Google広告のヘルプにも、来店などのオフラインイベントと「新規顧客のみ」モードを併用する場合は、カスタマーマッチを使って既存顧客をアップロードする必要があると明記されています。

これは、電話や来店で成約する事業にとって重要な制約です。この点は記事の後半で改めて取り上げます。

顧客獲得値とLTVの考え方

「新規顧客の価値」モードでは、新規顧客1人あたりの価値(顧客獲得値)を自分で定義する必要があります。

Googleが推奨する考え方

Googleは、顧客獲得値を「1人の新規顧客から将来的に獲得が見込まれる収益額」と同額にすることを推奨しています。

公式の例を挙げると、購入1回あたりの平均額が120ドルで、顧客3人中2人が2年間にわたり年1回購入すると予想される場合、推奨される新規顧客値は次のように計算されます。

120ドル × 2/3 × 2年 = 160ドル

LTVにもとづいて算出する

これはLTV(ライフタイムバリュー)の考え方にもとづくものです。LTVは、1人の顧客から長期的に得られる売上の見込みを示す指標で、次の式で計算されます。

LTV = 平均購入単価 × 平均購入頻度 × 平均継続期間

  • 平均購入単価:一定期間に顧客が平均的に支払う金額
  • 平均購入頻度:一定期間の平均購入回数
  • 平均継続期間:顧客が取引を続ける期間の平均

先ほどの例では、平均購入単価120ドル、平均購入頻度2/3、平均継続期間2年が当てはまります。

LTVが高いほど、顧客獲得にかけられるコストの上限も上がります。新規獲得にいくらまで投じてよいかを判断する基準になるため、感覚ではなく数字で押さえておくことが重要です。

なお、新規顧客の価値がわからない場合は、設定時に提案される推奨値を使うこともできます。これは過去のキャンペーンの平均注文額にもとづく数値です。

効果をどう測定するか

設定後は、意図したとおりに配信されているかを確認します。

管理画面の「列」から、次のような指標を追加できます。

  • 新規顧客:キャンペーンで獲得した新規顧客の数
  • 顧客獲得費用(CAC):新規顧客に割り当てられた広告費用を、獲得した新規顧客のユニーク数で割った値

データを「新規顧客とリピーター」で分類すると、内訳を確認できます。「価値の高い新規顧客」モードを有効にしている場合は、**「新規顧客 – 高価値」**というセグメントも確認できます。

「不明」が多い場合

分類に「不明」というセグメントが表示されることがあります。これは、デリケートなカテゴリに関するポリシー上の制約や、端末のプライバシー設定によって、新規か既存かを判別できなかったコンバージョンです。

一定数は避けられませんが、極端に多い場合は顧客リストの設定や計測環境を見直す必要があります。

なお、デマンドジェネレーションキャンペーンでは現時点でCAC列が使用できません。この場合は「合計費用 ÷ 新しいコンバージョン数」で算出します。

【重要】電話で成約する事業は、この機能を活かしきれない可能性がある

ここまでの内容を踏まえて、実務上の大きな課題をお伝えします。

誰が「既存顧客」なのかを、Googleは知らない

この機能の根幹は、新規顧客と既存顧客を正しく区別できることにあります。区別ができなければ、新規に高い入札をすることも、既存を除外することもできません。

その区別の材料は2つです。Googleの自動検出と、広告主がアップロードする顧客リストです。

そして前述のとおり、自動検出はオフラインコンバージョンでは機能しません。ウェブ上で完結する購入であればGoogleは履歴を把握できますが、電話や来店で成約した顧客については、Googleが自力で判別する術がないのです。

電話で獲得した顧客がリストに入っていないと何が起きるか

不動産、工務店、医療、士業、修理業、BtoB商材といった業種では、成約の多くが電話を経由します。ここで、電話経由の顧客データが顧客リストに反映されていないと、次のような事態が起こります。

  1. 既存顧客が「新規」と判定される:すでに取引のある顧客に対して、新規獲得用の高い入札単価で広告を配信してしまいます
  2. 顧客獲得費用(CAC)が実態とずれる:新規として計上された数に既存顧客が混ざるため、算出される数値が信頼できなくなります
  3. 「新規顧客のみ」モードが機能しない:除外したいはずの既存顧客に、そのまま配信が続きます

せっかく新規獲得に注力する設定をしても、その前提となるデータが不完全であれば、意図した動きにはなりません。

電話の成果を顧客データとして蓄積する

この課題を解決するのがコールトラッキングです。流入経路ごとに異なる電話番号を出し分けることで、どの広告・どのキーワード経由でかかってきた電話なのかを判別できる仕組みです。

「新規顧客の獲得」目標の文脈では、次の意味を持ちます。

  • 電話で成約した顧客を、カスタマーマッチ用のリストとして蓄積できる:既存顧客の定義を正確にできます
  • オフラインコンバージョンとして広告側に戻せる:自動検出が及ばない領域を、実データで補えます
  • 新規顧客のCACを正しく評価できる:電話での獲得分まで含めた実態が見えるようになります
  • どの経路が優良な新規顧客を生んでいるかがわかる:「価値の高い新規顧客」モードを使う際の、価値定義の材料になります

Googleの機能は年々高度になっていますが、その精度は与えるデータの質に左右されます。新規と既存を区別する仕組みであればなおさら、顧客データが正確であることが前提になります。

まとめ

Google広告の「新規顧客の獲得」目標について、要点を整理します。

  1. 現在は「顧客ライフサイクル目標」の枠組みに位置づけられ、「ユーザー維持」目標と組み合わせて使える
  2. モードは3つ(新規顧客の価値/価値の高い新規顧客/新規顧客のみ)に増えている
  3. 「価値の高い新規顧客」モードはベータ版で、GMCフィードを持つEC事業者向け
  4. 価値ベースの2モードは、購入コンバージョン目標の設定が必須
  5. 顧客リストは100人以上のアクティブメンバーが必要
  6. 顧客獲得値はLTVをもとに算出する
  7. Googleの自動検出はオフラインコンバージョンでは機能しない

新規顧客の獲得は事業の成長に不可欠ですが、既存顧客の維持も同様に重要です。両者のバランスを取りながら施策を設計することが成功の鍵になります。そしてその設計を支えるのが、正確な顧客データです。

コールデータバンクは、電話成果を含めた広告効果を100%計測し、すべての成果に至るマーケティングデータを一元管理できるツールです。広告からの入電を可視化し、電話で獲得した顧客のデータを広告施策に活かすことで、『広告運用改善』と『顧客管理改善』を実現します。

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