ITPの影響で正確な計測ができない?ITPの影響と各解析ツールの対策とは

ITPという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ITPはIntelligent Tracking Preventionの略でアップルが2017年に発表したトラッキング対策機能です。
ITPという言葉は知らなくても、cookie規制について聞いたことがある方は多いでしょう。
ITPはcookie規制の流れの中で行われているトラッキング対策なのです。では実際にどのような影響があるのでしょうか。この記事ではITPによる影響と各解析ツールの対策について説明します。
ITPとは
ITPとはアップルのブラウザであるSafariに対して行われているトラッキング対策です。今まではサイトを横断して、ユーザーの情報を保持できましたが、ITPの導入で制限がかかるようになったわけです。
これにより、ユーザーは自身のデータをよりコントロールできるようになり、プライバシー侵害のリスクを低減できます。しかし、ITPはウェブサイトの運営者や広告主にとっては、正確なデータ収集やターゲティング広告の実施を困難にするという課題ももたらしています。
「Cookie」とは
Cookieには、ユーザーがウェブサイトを訪れた際の情報が保存されています。たとえば、ウェブサイトにログインするときには、Cookieにユーザー名やパスワードが保存されます。これにより、次回同じウェブサイトを訪れた際に再度ログインする必要がなくなります。
また、Cookieはウェブサイトのパフォーマンス向上やユーザーエクスペリエンスの向上にも役立っています。ウェブサイトがユーザーの設定や好みを覚えておくことで、よりパーソナライズされたコンテンツや広告を提供することができます。
しかし、Cookieにはプライバシー上の懸念も存在します。とくに、サードパーティCookieは、異なるウェブサイト間でユーザーの行動を追跡するために使用されることがあり、プライバシー侵害のリスクを高めるとして規制の対象です。
ITPは、このようなCookieの利用を制限することで、ユーザーのプライバシー保護を強化しています。Cookieの代替技術としては、ローカルストレージやサーバーサイドトラッキングなどがあります。
これらの技術もITPや他のプライバシー保護機能によって制限を受ける可能性がありますが、適切な対策を講じることで、データ収集や分析を継続することが可能です。
ITPによる影響は?
ITPはトラッキング対策機能だと説明しました。つまり今まで行われてきたトラッキング手法を規制することになるわけです。では今までのトラッキング手法に対して、どのような影響が出ているのでしょうか。
・3rd Party Cookie
3rd Party Cookieとは、ウェブページを閲覧した際に、広告等の第三者が保存するcookieのことをいいます。ユーザーに関する情報が第三者に取得されていることが問題視され、規制の流れになっています。
ITPの影響は3rd Party Cookieにとくに大きく、すぐに削除されるようになりました。そのためウェブ広告の計測やリターゲティング広告への影響が大きく出ています。
・1st Party Cookie
1st Party Cookieとは、ウェブページを閲覧した際に、そのウェブページが保存するcookieのことをいいます。
1st Party Cookieも規制の対象となっており、広告流入の場合は24時間、自然検索の流入でも最大7日間で削除されてしまいます。
今までは3rd Party Cookieが規制の対象でしたが、1st Party Cookieも規制の対象になっており、今後、cookieを使った計測は難しくなると予想されています。
・ローカルストレージ
こうしたCookie規制の中で、Cookieを使わずに、ローカルストレージを使ったトラッキング手法が使われていました。しかしローカルストレージに対しても規制がかかるようになっています。
現在ではローカルストレージも7日間で削除されるようになっています。
解析ツールに対する影響
このようにcookieやローカルストレージを使ったトラッキング手法が制限されると、解析ツールにも影響は出てきます。cookieが削除されてしまうと、再訪問したユーザーであるにもかかわらず、新規ユーザーとしてカウントされます。
そのため、特定のユーザーが何回ウェブページを訪問しているかの回数も正確に把握できません。結果として、正確なデータの把握ができず、ウェブサイトの分析にも支障が出てくるのは間違いないでしょう。
各解析ツールの対策
前述したように、ITPの影響は分析ツールにも大きく出てきます。そのためITP対策をしなければ正確なデータを把握できません。このような状況に対して、各解析ツールでは対策を行っています。
ここでは代表的な解析ツールであるGoogleアナリティクス、Adobe Analytics、アドエビスの3つの対策について説明します。
・Googleアナリティクス
Googleアナリティクスでは、以下の3つの方法で対策できます。
1.ユーザーIDを使う方法
GoogleアナリティクスではカスタムディメンションのユーザーIDを使って、ITP対策を行うことが可能です。
たとえば会員IDを使えば、会員IDを持っているユーザーに対しては、cookieが削除されても、ユーザーの行動データを検索できます。またcookie削除の影響を受けないため、無期限にデータを保持できます。
ユーザーIDのコードデータを取得するためには、ソースコードの修正やGoogleアナリティクス側での設定が必要です。
また行動データが把握できるのは、ユーザーIDを取得できるユーザのみに限定されるというデメリットがあります。
2.Googleシグナルを使う方法
Googleシグナルを使ったITP対策もひとつの方法です。Googleシグナルを使うことで、Googleアカウント情報をもとにユーザを識別できます。この方法であれば、最長で26か月間はデータを保持できます。
ただしGoogleアカウントログインユーザーに限定されるため、Googleアカウントを持っていないユーザーに関してはデータ取得ができません。
3.サーバーサイドタグを使う方法
ブラウザで発行したcookieに関してはITPの影響を受けます。しかしサーバーで発行したcookieはITPの対象とはならず、ユーザ情報を保存できます。
そのためサーバーサイドタグを利用することで、データの計測ができるようになるわけです。
ただしサーバーサイドタグを利用するためには、クラウドの設定やサブドメインの割り当てが必要になるため、設定をするための知識が必要になります。
・Adobe Analytics
ITP対策としてCNAME計測を実装し、1st Party Cookieとして計測できるようにしていますが、この方法もITPの対象となっているため、1日~7日間でcookieが削除されてしまいます。
そのため正確なデータ計測は困難だと言えるでしょう。
・アドエビス
アドエビスも当初はCNAME計測を使っていました。しかしITPの制限対象となったため、現在ではNSレコードを使ったITP対策を行っています。
NSレコード方式は、お客様のサイトのサブドメイン以下の権限を、アドエビスに委譲する仕組みです。
DNSの権限をアドエビスに委譲することになるため、目的外使用しないようにアドエビスでは制約事項が設けられています。この方式であれば、ITPの影響を受けずにデータ保持が可能になります。
ITPの今後の展望
ITPは、今後も進化を続け、より強力なプライバシー保護機能を提供する可能性があります。Appleは、ユーザーのプライバシーを重視する姿勢を明確にしており、ITPのアップデートを通じて、その姿勢をさらに強化すると考えられます。
一方、ウェブサイトの運営者や広告主は、ITPの制限に対応するために、新しいトラッキング技術やデータ分析手法を導入しなければなりません。たとえば、Cookieに依存しないトラッキング技術や、ユーザーの同意に基づいたデータ収集などが注目されています。
また、プライバシー保護に関する法規制も強化されており、GDPRやCCPAなどの法律が施行されています。これらの法律は、企業のデータ収集や利用方法に制限を加え、ユーザーのプライバシー保護を強化するものです。
ITPと法規制の強化により、企業は、より透明性の高いデータ収集と利用方法を確立する必要があります。ユーザーの信頼を得るために、プライバシー保護を重視したビジネス戦略が求められます。
正確な計測をしたいならアドエビスがオススメ!
ここまでITPの影響と各計測ツールの対策について説明してきました。GoogleアナリティクスもITP対策は行えますが、アドエビスであればITP対策だけでなく、分析にも活用できます。
またサポートも充実しており、ITP対策の設定で迷った場合でもバックアップしてもらえるでしょう。
さらにさまざまな外部サービスとも連携しており、たとえばコールデータバンクをつかって、正確な電話計測データを収集・分析もできます。
ITP対策も含めて、ウェブ広告を運用している担当者・企業の方は導入を検討してもよいのではないでしょうか。