仕事が特定の人に集中して、その人しかできない業務が増えていくことを属人化といいます。仕事が特定の人に集中することで、うまくいっている企業もありますが、属人化が進むとデメリットも見えるようになってくるわけです。

では、一体どのようなデメリットがあるのでしょうか。また属人化はどうすれば解決できるのでしょうか。ここでは、属人化のデメリットと解決方法について解説します。

仕事が特定の人に集中する理由

仕事が特定の人に集中する理由としては、担当者が優秀であることがあげられます。たしかに、専門的なスキルのようなものであれば、特定の人にしかできないこともあるかもしれません。

しかし、実際には専門的なスキルが必要なくても、業務の集中する場合があります。それはその人しか業務について詳しく分かっておらず、その人に頼めば早く終わる場合です。

こういう状態を属人化といいます。一般的に属人化は、マイナスのイメージで語られることが多いです。しかし優秀な人に仕事が集中することで、その人独自の権限で作業を勧められたり、モチベーションが上がったりするメリットもあります。

ただこうしたメリットもあるものの、会社としては誰でもできる仕事が属人化してしまうと、デメリットも多く見られるようになるのです。

属人化のデメリット

属人化することで、起こるデメリットとしては、主に以下の5つが考えられます。

業務が効率化しない

特定の人でしかできない業務が増えてしまうと、その人の仕事の仕方によって業務の左右される可能性が高いです。そのため業務を効率化しようと思っても、その人次第になってしまい、効率化しないというデメリットがあります。

そこで担当者が頑張って業務効率化を目指すと、作業量が増えてしまい、疲労が蓄積し、長時間労働を招く可能性があります。そうすることで業務スピードは下がってしまうわけです。これもまた業務が効率化しない原因となります。

さらに周囲がサポートしようとしても、属人化しているため、業務の進捗状況がわからない状況になります。そのためどのようにサポートしていいかわからず、業務効率化が進まないということが起こるわけです。

品質が一定にならない

業務が属人化すると、人によって品質がバラバラになるというリスクがあります。属人化している業務を別の担当者が行うと、品質の下がる可能性があるわけです。業務のポイントも共有されていないため、誰が担当しても同じように品質の低下が起こるリスクが高くなります。

担当者以外が業務を行うと、品質が一定にならないというのは、属人化の大きなデメリットでしょう。

担当者が辞めると業務に関する知識や技術が失われる

属人化すると、担当者が辞めた際に、業務に関する知識や技術が失われる可能性も高いです。1人でやっていたわけですから、知識や技術についてマニュアル化していることはないでしょう。

そのため担当者が辞めてしまうと、知識や技術が失われ、会社全体の業務の質も下がってしまうことが考えられます。こうしたデメリットがあるために、属人化せずに、社内全体で業務に関する知識や技術を共有していく必要があるわけです。

担当者が休めない

業務が属人化してしまうと、担当者が休めないというデメリットがあります。担当者が休んでしまうと、業務が進まないという状況になってしまい、休みが取れないわけです。しかし働き方改革の影響もあり、有給は必ず取らなければなりません。

つまり休まないで仕事をし続けることは難しいわけです。そのため、業務を属人化せずに、別の人がその業務を担当できるようにしておく必要があります。

外部から業務の状況が把握できない

業務が属人化してしまうと、外部から現在の進捗状況を確認することはできません。また、無駄な作業をしていたとしても、外部からチェックすることができないわけです。ミスのチェックもできません。

そのため大きな問題になって初めてミスに気付き、会社の信用問題になってしまう場合もあります。また不正が行われている可能性もありますが、それも外部からはわかりません。そのため不正が隠蔽されている可能性もあるわけです。

このように外部から業務の状況が把握できないことで、さまざまな問題の起こる可能性があります。

属人化を解決する方法

属人化を解除する方法としては、以下の4つのステップを踏む必要があります。

業務内容を標準化する

まずは属人化していた業務を標準化していかなければなりません。業務を標準化するためには、まず担当者がどのような業務をしていたのか聞き取りを行い、業務を見える化していく必要があります。

業務が見える化したら、それが最適な手順になっているのかどうか見直していきましょう。見える化させると、無駄に気づく可能性が高いです。そうした無駄を徹底的に排除して、誰でも業務に従事できるように標準化していきます。

業務を標準化するためには、システムの導入も1つの方法です。システムを導入することで、誰でも業務に従事できる可能性は高まるでしょう。

マニュアル化する

業務の標準化ができたら必ずマニュアルを作成してください。誰でもそのマニュアルを見れば、担当者と同じように業務が行えるようになります。ただマニュアル化は最初から完璧なものを目指してはいけません。

マニュアル化にあまりにも時間がかかってしまうと、結局マニュアルを作らないという方向にいく可能性があります。まずは一通りマニュアル化して、それを社員全員で見直していくという形にしていきましょう。

知識や技術を共有する

業務を標準化してマニュアル化したとしても、うまくできる人とできない人の差は出てきます。その際に、なぜそのような差がついたのか検証する必要があります。人よりも、業務がうまくできる人には、その人なりの知識や技術があるはずです。

そうした知識や技術を抱え込んでしまうと、結局属人化しているのと変わらなくなってしまいます。知識や技術など、業務を行う際に気づいた点に関しては、社内で共有するような仕組み作りをしていきましょう。

こうした方法をナレッジマネジメントといいます。ナレッジマネジメントを行い、誰が業務を担当しても、同じ品質のサービスを提供できるようにしていきましょう。

PDCAをくり返す

マニュアルを作成し、知識や技術を共有すれば、業務効率化が図られるというわけではありません。業務を繰り返していくうちに、必要のない工程が出てきたり、効率化できる工程があったりする場合があります。

そのため、常にPDCAを繰り返し、業務を効率化していく必要があります。定期的に業務を見直し、業務効率化を目指していきましょう。

システム導入の検討を！

ここまで特定の人に業務が集中する属人化のデメリットと解消法について説明してきました。業務を見直すことで、属人化が防げる可能性は高いですが、システムを導入すると、さらに効率的に業務を行えます。

たとえば電話で問い合わせが来た際に、チラシを見て電話をしてきたのか、ウェブページを見て電話をしてきたのかの判断ができません。このようにチラシの効果を正確に把握するのは難しいわけです。

こうした現状を解決するためには、電話問い合わせのデータを正確に把握できるシステムを導入する必要があります。

たとえばコールデータバンクは電話成果を含めた広告効果を100%計測し、すべての成果に至るマーケティングデータを一元管理。『広告運用改善』と『顧客管理改善』ができるツールです。

なかなか属人化が解消できないという企業の場合は、思い切ってシステムを導入して属人化を解消するのも良いでしょう。コールデータバンクについて詳しく知りたい方はこちらから問い合わせしてみましょう。